Unityを使用し、自社作成のBIM(3次元)データをXRコンテンツに変換
コンテンツ制作の内製化を実現
株式会社杉孝
技術営業部
デジタルサービス推進課
雁部 健太郎様
株式会社杉孝
技術営業部
足場安全コンサルティング課 課長
髙橋 理恵子様
仮設機材のレンタルを専門とし、建築・プラント・橋梁・土木等、様々な分野に機材を提供するとともに、
設計や安全教育等のソフト面でも顧客を力強くサポートしている株式会社杉孝様。
この度、弊社からの技術コンサルティングによりゲームエンジン「Unity」を使用し、
BIMデータを活用したXRコンテンツ制作の内製化を実現。
多くの顧客にVRによるプレゼンテーションを実施する事が可能になりました。
今回の技術コンサルティング内容
- ① UnityProの導入サポート
- ② BIMデータをMetaQuest2、Hololens2に変換、閲覧できる仕組み作り
- ③ Unityの基本的な操作、使用方法についてトレーニング
BIMとVRの親和性の高さに気づく
今回弊社の技術コンサルティングサービスを導入頂いたきっかけは何でしょうか?
これまで、VR・MRを足場の安全教育で活用している中で、今後さらに安全コンテンツを充実させたり、さらにBIMとの連携によるSUGIKOのBIMサービスの価値を高める方法を模索していました。お客様からBIMとVRは切っても切り離せないという声もあり、いち早く取り入れたいという気持ちを持っていました。VR市場は今後広がっていくと思っており、先んじてこの技術に触れておきたいと思ったのがきっかけです。
既に数十回に及ぶプレゼンテーションに活用
Unityを使用してできるようになった事はどういった事でしょうか?
BIMの活用幅が広がりました。Unityを使用する前では、BIMの活用は2つでした。足場数量算出とイメージ確認です。今回Unityを使用する事で、イメージ確認の手段としてMetaQuest2とHololens2が加わりました。これにより実寸大のモデルを確認する事で没入感をもってイメージ確認が行えるようになりました。またBIMをお持ちでないユーザー様もBIMやVRとはどういうものか?という事が手軽にプレゼンできるようになりました。
積木製作さんの技術を借りて内製化する事で、手軽にVR技術に触れられるようになった事が大きかったと思っています。実際の現場の足場BIMモデルを閲覧できるようになった事で、お客様に具体的なイメージを持っていただく事ができるようになりました。
現在までに多数のお客様に足場BIMモデルを活用したVRプレゼンを実施しており、ご要望を複数頂いているところです。
どのような課題、要望がありましたでしょうか?
BIMモデルが重いデータになるので、モデル表示に遅延が起こってしまうという問題があります。Revitを使用しているのですが、お客様より引継ぎいただく躯体モデルが重かったり、足場の部材点数が多いと足場モデル自体が重くなったりと、最適化が難しいと感じています。現在やっている事は、BIMモデルを分割して見せるようにしているのですが、全て同時にモデルを見る事ができません。今後は積木製作様にご提案頂いているようなPCで処理させてVRデバイスで見せるという方法も検討したいと考えています。
BIMデータが持っている色等の属性データをうまく表示できないという課題もありました。また、VRの操作が難しいと感じているお客様が多くいらっしゃいます。自分の見たい方向を向く際に回転ができない等があるので、今後機能の追加を検討していきたいと思っています。その他現場でのOJTができないという現場監督さんがいらっしゃいます。そういう現場で、足場点検のポイントを教育できるようなツールができればという要望も頂きました。
教育目的のコンテンツを作成し、自社サービスに育てる
今後はどのような展開を考えておられますでしょうか?
BIM単体だけではなく、周囲の植栽等の環境や、弊社でも所持している点群データを表示させる等、内容をアップデートしたいと考えています。
また足場BIMモデルの変換だけではなく、教育用のモデルを作成したいと思っています。VR空間での足場点検と称して事前に不具合個所を仕込んだモデルを作成し、お客様に確認して貰うというものです。足場点検以外にも、組み間違えが起こりやすい機材を盛り込んだモデルも作成し、事前にVR空間上で仮設担当者様、鳶さんに確認して頂き、手戻りの抑制にも繋げたいと思っています。
今回の取り組みをきっかけにして、弊社の付加価値となるような新しいサービスに育てていきたいと思います。
既に多くの顧客に対してプレゼンテーションを実施し、XR技術を大いに活用されている事に驚きました。
今後も活用の範囲を広げていき、自社のサービスに成長させていく為にサポートさせて頂きたいと思います。
杉孝様、ありがとうございました!